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「正社員をなくそう」というコンサルタント業の意見記事を紹介します

これからの雇用環境がどうなるのか4回シリーズで書いています。

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1回目:残業代ゼロに関する報道記事を紹介します
2回目:「正社員をなくそう」というコンサルタント業の意見記事を紹介します
3回目:「解雇規制緩和論の正しい論じ方」 濱口敬一郎氏の論文を紹介します
4回目:残業ゼロではなくて残業"代"ゼロ・同一労働同一賃金・雇用の流動化⇒雇用環境を想像してみた!
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今回は、2人のコンサルタント業の方の記事を紹介します。
前回記事で紹介した政府の方向性に賛成している方々です。立ち位置としては、経営者側にいると思います。ですから経営者、資本家側の意図がわかります。


正社員廃止後の社会 残業減り、賃金上がりやすくなる 
2015/1/ 7 Jcast 城繁幸(じょう・しげゆき)

元旦の朝まで生テレビスペシャルで、竹中平蔵氏が「(正社員と非正規雇用の格差を是正するための)同一労働同一賃金の実現には、正社員を無くしましょうと言わないといけない」と発言し、大きな反響を呼んでいる。筆者からすると当たり前すぎて議論の余地もない正論なのだが、かなりの批判も浴びているようだ。
   いろいろ反応を見てみると、どうやら反対している人は「正社員もみんな派遣やフリーターみたいに低賃金で不安定な職になってしまう」と思い込んでいるらしい。それは完全な誤解だ。というわけで、正社員を無くせば何が起こるのか、ごくごく基本的な論点に絞って説明しておこう。

残業時間が減る
   まず、すべての人に影響する話として、残業時間の減少が挙げられる。なぜ正社員を無くせば残業時間が減るのか。従来の日本社会は、企業も行政も「雇用は守る。けれども残業はいっぱいさせる」という発想で動いていた。忙しい時はいっぱい残業し、暇になったら残業を減らす。要は残業時間を通じて雇用調整していたわけだ。
   この仕組みは、既に正社員の椅子に座っている人の雇用は安定させる効果があるが、失業者や新卒者にとっては就職しにくく、また(残業時間の上限が無い等の抜け穴が用意されているため)過労死やブラック企業といった副産物も生み出してしまった。
   一方、正社員を無くすということは、もっと柔軟に採用や解雇がしやすくなるということだから、企業は忙しければ人を雇い、暇になったら解雇すればいい。つまり、残業そのものは減るわけだ。日ごろ声高にブラック企業批判をしているような人に限り、竹中発言を批判している理由が筆者にはサッパリ理解できない。

派遣労働者が減る
   それから、正社員を無くせば派遣労働者は大きく減少することになる。なぜか?答えはシンプルで、企業が直接雇った方がコスト的に安く済むからだ。現在、企業が派遣会社を間に一枚噛ませるのは、直接雇用に伴うリスク(有期雇用でも5年雇うと無期雇用しないといけない等)を派遣会社に負担してもらっているためで、はっきり言って直接雇うより割高である。正社員だろうがなんだろうが一定の条件で解雇できるようになれば、大手で派遣会社を使うところは大きく減るはずだ。
   逆に、派遣会社は淘汰が進み、一定期間経過後に派遣社員を直接雇用に切り替えてもらう人材紹介会社的な業態にシフトしていくだろう。日ごろ声高に「派遣会社は悪だから規制しろ」と言っている人ほど、竹中発言を批判している理由が、やはり筆者にはサッパリわからない。

賃金が上がりやすくなる
   正社員をなくせば、賃金は上がりやすくなる。というのも、先の心配をしないで大盤振る舞いできるようになるためだ。
   現在、政府は企業に積極的な賃上げを呼び掛けているが、実現は一部企業にとどまっている。筆者の知る限り、本音では賃上げの余地はあるのだが、一度賃上げしてしまうと見直しが難しくリストラも困難なため、なるべく賃金を抑制しておくという企業が少なくない。
   「従業員の人生設計」という、本来は政府が見るべき負担を企業から取り払ってやることで、アベノミクスに不可欠な賃上げという歯車が回り始めるきっかけになるかもしれない。

再チャレンジしやすい社会になる
   新卒の時にたまたま不景気で、非正規雇用のまま年を経てしまったという人は多い。そうした人が、後から多少景気が良くなったからと言って、今の新卒と同じように就活して正社員になれるかというと、とても難しい。
   また、新卒で有名大企業に入った人の中にも、後からもっと他にやりたい仕事が見つかったという人も少なくないはず。中には「大学でもう一度学びなおしたい」という人もいるだろう。でも、20代後半ともなると、なかなか再チャレンジは難しい。
   「正社員という名の65歳まで続く一本のレール」が真ん中にドンと居座っている以上、そこからあぶれてしまった人が後から乗りこむことはとても難しく、乗っている人は乗っている人で、それがわかっているからなかなかリスクが取れないためだ。
   でも、レールが無くなればどうか。正社員、契約社員、派遣社員、男性女性、高卒、大卒、新卒、中途を問わず、あらゆる人がその時の能力で処遇されるようになるのだから、誰がどこにいようと再チャレンジはぐんとしやすくなるに違いない。

労働市場の流動化は世界的な潮流
   つい先日、イタリアで実質的な解雇規制の緩和が閣議決定された。イタリアというのは日本同様に解雇規制が強く、長らく雇用後進国のレッテルを貼られていた国だ。そうした国々が今、労働市場の流動化に舵を切り始めている。雇用の規制を強化すればするほど国内での雇用が減り、椅子に座っている人とそうでない人の格差が拡大するだけという現実に、ようやく彼らも向き合い始めたのだろう。
   なぜか日本には、そうした動きを『新自由主義』と呼ぶ人もいるが、筆者に言わせれば主義主張とは何の関係もない現実的な政策に過ぎずない(そもそも新自由主義というのは左翼の造語にすぎず、系統だった学問なり思想があるわけではない)。
   水は高いところから低いところに流れるのだから、イタリア同様に出来るだけ堤を低くして多くの水を引く努力をするか。それとも「水が低いところに流れるのは新自由主義だ!」という頭の悪いロジックに乗っかって雇用落第生の地位に甘んじるか。2015年は日本国民の見識が問われる一年となるだろう。


「夢は正社員=既得権側に入れさせろ」論 同一労働・同一賃金を考える 
2015/1/15 Jcast 大石哲之(おおいし・てつゆき)

 夢は「正社員になること」。
   民主党の選挙CMキャッチコピーとしても話題になりました。
   しかし、この正社員とは何を意味するのでしょうか?
   安定とか、安心とか、そういうものの象徴ということなのでしょうが、実際はもっとえげつないでしょう。
椅子取りゲームのような気が・・・
夢は・・・
夢は・・・
   御存知の通り、日本では、正社員と非正規社員の格差が開いています。
   同じ仕事をしていても、年収が半分であるという事例もあり、同一労働・同一賃金とはかけ離れています。
   正社員は既得権であり、
   非正規社員より高い給与をもらい、
   身分が保証されます。
   つまり、「夢は正社員」とは「わたしも既得権側にいれてください」という意味としか思えません。
   ちなみに、東証などへの上場会社の従業員総数は、労働者(雇用者)数5637万人の1割もいるかいないか程度です。
   つまり既得権10%に入りたい、入らせろ、という椅子取りゲームのような気がします。
   ちなみに、地方の介護の仕事などは、年収300万円でちゃんとした正社員の仕事がごろごろしていて、人手不足で、資格がある人が応募したら多くの人が正社員になれるとのことです。
   でも、そういうのはいや。つまり、「夢は正社員」というのは、「既得権がほしい」とイコールです。「夢は既得権側に入ること」ではあからさまなので、正社員とは言い換えたにすぎないでしょう。

「既得権はやめてフラットにしましょう」
   言い換えを元に、それぞれの主張をみてみましょう。
   「わたしも、10%の既得権に入れさせてほしい」というのが、労働者の願望。
   「日本の社員の100%を既得権側にしなさい」というのが、左巻きがわのひとの労働キャンペーン(そんなのは民間では無理で政府が抱える必要がありますが、そういう主義なので主張自体は整合性はあるとおもいます)。
   「既得権はやめてフラットにしましょう」というのが、正社員をなくそうという解雇規制緩和論者です。
   奇しくもこの原稿を書いたあとに、慶応大教授の竹中平蔵氏がテレビで「同一労働・同一賃金と正社員廃止」について触れ、論争になりました。
   私は基本的には解雇規制緩和論者で、既得権としての正社員を廃止すべきだという立場です。
   私がおかしいなと思うのは、90%の「東証一部正社員になれないひと」も、正社員の既得権の緩和には大反対な人が多いことです。解雇規制緩和は、90%の側のほうにむしろメリットのある政策なはずですが、なぜか90%のひとは、いつかは10%の側に入れると思ってしまっているのでしょうか。
   いつかは自分もその10%の側に入れると夢を見ているのでしょう。そんなことは起きないと思いますが。これぞ、夢を見させられながら現実には、搾取され続けるというブラックな構図そのものです。まずは、この幻想を打ち砕くことが必要かもしれません。
   「夢は正社員」ではなく、正社員や非正規という言葉がなくなる社会を、作っていくべきだと思っています。

波線転載END



わかりやすい言葉を使って、ネット上で公表していただけるのはありがたいことだと思います。

サラッと読むと、なるほど、事実を述べている所もあると思いますが、なんだか誘導されているような、そんな気がする内容でした。

まず、城氏の記事から見てみたいと思います。

>企業は忙しければ人を雇い、暇になったら解雇すればいい。つまり、残業そのものは減る

「残業」という概念は確かに無くなりますけどね、雇われたり解雇されたり、それもその人の能力ではなくて、忙しいかどうかが理由になっているので、毎日不安でたまりませんよね。今でもそういう状況に置かれている人がいますが、そういう人を無くそうというのではなくて、みんなでそうなろうということなのでしょうか。

>正社員を無くせば派遣労働者は大きく減少することになる
>派遣会社は淘汰が進み~人材紹介会社的な業態にシフトしていくだろう

今の正規、非正規の枠を外して、違う雇用形態を考えているのかもしれません。
そうなると派遣会社に所属というよりは、紹介所に登録という風に変わっていくということだと思いました。
今でも公務員の再就職をパソナが請け負っていますが、そういう「人材紹介会社」が益々儲かるという時代が来るのです。
竹中氏は自分で政策に関与して商売しているのですから、インサイダー取引より悪質ですね。

>正社員をなくせば、賃金は上がりやすくなる。というのも、先の心配をしないで大盤振る舞いできるようになるためだ。

大盤振る舞いをするかどうかどうしてわかるのでしょうか?私が経営者側なら需給バランスを見てギリギリの賃金しか払いませんよ。優秀でどうしても欲しい人には大盤振る舞いしますけど。
こういう楽観的希望をサラッと入れないでほしいです。

> 「正社員という名の65歳まで続く一本のレール」が真ん中にドンと居座っている以上、そこからあぶれてしまった人が後から乗りこむことはとても難しく、乗っている人は乗っている人で、それがわかっているからなかなかリスクが取れない

安定志向はいけない、博徒のように緊張感をもって生きることが必要なのでしょう。
人間として生まれたからには、最期に息が止まり斃れるまで、サバイバルゲームに参加するのが当たり前だ!ということですね。
悟りを開けない人間は何度も生まれ変わり成仏できないという仏教を思い出しました。
生きるということは苦行であり、これからは神社仏閣では「二度と生まれ変わりませんように。」とお祈りしたいと思います。祈る

>イタリアというのは日本同様に解雇規制が強く、長らく雇用後進国のレッテルを貼られていた国だ。

解雇規制については公平な見方をしていないと思います。以下に詳しく書かれています。
『世界』2013年5月号原稿 「「労使双方が納得する」解雇規制とは何か──解雇規制緩和論の正しい論じ方」  濱口桂一郎  濱口桂一郎
これは次回のブログで転載させてもらうことにしました。理由は、リンク先の字が詰まっていて字を追うのが辛いようなものだからです。でも解雇規制を考えるうえでぜひとも知っておくべきことが書かれていると感じたので、読んでいただきたいと思い、そうすることにしました。

日本は正社員の雇用契約に何をするかはっきり書かれていないと思いますが、欧米では職務記述書(しょくむきじゅつしょ)、英語では「job description(ジョブ・ディスクリプション)があるのが普通です。
日本はどんな業務もするけれど雇用は保証される、欧米は決められた仕事で雇用されるので、その仕事がなくなったら解雇される、だから雇用形態が違うので同じようには比べられないということ、簡単にいうとそういうことです。

>頭の悪いロジックに乗っかって雇用落第生の地位に甘んじるか。2015年は日本国民の見識が問われる一年となるだろう。

頭の悪いとか、雇用後進国とか、雇用落第生というのは、そういわれてもどうしようもないので言わなくてもいいことだと思いました。残念です。あ-ぁ


次に大石氏の記事です。

城氏と同様の見解ですが、挑発的ではない言い方をしています。

> 「既得権はやめてフラットにしましょう」というのが、正社員をなくそうという解雇規制緩和論者です。
>「夢は正社員」ではなく、正社員や非正規という言葉がなくなる社会を、作っていくべきだと思っています。

城氏の言っていたレールを無くすというのが、フラットにするという意味であり、正社員と非正規という言葉を無くそうということになります。

> いつかは自分もその10%の側に入れると夢を見ているのでしょう。そんなことは起きないと思いますが。これぞ、夢を見させられながら現実には、搾取され続けるというブラックな構図そのものです。

どうして不満を持つ人が90%という数字になっているのか、おかしいと思いませんか?
みんながなりたい正社員は東証一部上場会社の従業員(と筆者は思う)、だから10%、いくらなんでも、それは勝手な思い込みではないでしょうか?みんながそんなことを思うほどお花畑ではないと思います。

正社員と非正規社員の格差の話が、いつの間にか雇用者5257万人のうち東証一部の従業員が1割だと言い出し、それで10%対90%という構図を勝手に作り上げてしまったのです。

総務省統計局に労働調査速報値が出ています。2014年7月~9月です。
そこには雇用者が5257万人、正規が3305万人、非正規が1952万人と出ています。
そこから、正社員は63%非正規社員は37%と計算できますので、10%
対90%は自説への誘導のため、こじつけたのだと思います。

ただ、37%も不安定な雇用にいるというのは、決して少なくはないですね。
それも前年同期に比べて正規が10万人増非正規が44万人増ですから、深刻です。

でもこう見ると、9割の人に呼び掛けていたものが、実は4割弱の人への呼びかけだったということになり、そのあとはもう辻褄が合わなくなって読めなくなってしまいますね。
正社員でも不満がある人がいるから4割よりもっと多いということもあるでしょう。
しかし、正規・非正規の話と、上場の正規・上場でない正規の話は、違う次元にあり、混同は良くないと思います。
変な小細工はしない方 がよかったのではないかと思いました。
あ-ぁ


このお二方が言っている一旦勝ち取ったレール(=既得権)を無くすということですが、それをとことん突き詰めていくと、「長寿社会になってしまい新陳代謝が悪くなった」という原因に行き着くような気がしました。非情な言い方なのですが、長寿になればそれだけ現役活動できない時間が長くなり、社会の負担になることは明らかです。なるべく現役期間を伸ばそうと努力はしていますが、そうすると現役の椅子が足りないのです。ロボットや機械化で労働者を減らせる今の時代、人間がだぶついているのだと思います。

いつまで待っても順番が回ってこない、電車で目の前に座った人が、今まで途中駅で降りていたのに、みんな終点まで降りないので、全く座ることができなくなった。つかれた
電車がどんどん遠くまで伸びて、それまで終点だった駅が途中駅になった、でも終点まで乗る人が増えた、もうそんなに立ち続けられない。疲れる
何駅か毎にくじ引きで席を決めませんか?そんな感じに似ていると思いました。もう人生疲れた


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